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夜1時に電話がかかってきて「いま錦にいるんだけど?」と言われる恐怖感を、あなたはご存知でしょうか?
こういった日はだいたい世紀末を感じてそれ相応の酔いを摂取するのですが、老老介護とはよう言ったもんで、泥酔者同士の介護にも名付けたいものです。

どうも、酔酔介護のプロ、ぼくです。
弊社の支援内容は、利用者様をラーメン屋かタクシーに閉じ込めるところまでが支援内容です。


今日でアドベントカレンダー12日目でございます。わっほい。
カレンダー2は高野さんの記事です。

珍しく業界指定記事です

記事を書くきっかけになった理由は遠くない先に出てきます。
いつもどおりだらだらと書きますので、お好きなところをお読みください。長文、順不同です。

本音を言うと、スパロボ30が発売された年ですし、エヴァンゲリオンと機動戦艦ナデシコの記事が出てたので、なぜなにナデシコのテンポで手軽に銀河を救えるスパロボの話をしたかったです。
ぶいっ。



美容クリニックとぼく

一定数の方から「美容クリニック専門なんですよね?」みたいなことを言われるのですが、そんなことはありません。
かろうじてインスタ映えする感じの人間性ではないですし、小高い丘の上で小鳥と一緒にケーキをちゅんちゅんいただくマダムキャラでもありません。
ただ一つ言えるのは、美容クリニックのマーケはやることいっぱいでめちゃくちゃおもしろいのです。

読んでいただきたい方

美容クリニックのウェブに携わっている方
ウェブマーケに興味ある方
美容クリニック経営に携わっている方
などなどです。


という前提が揃ったところでお話を進めますが、実際にぼくが今まで経験して感じたことや遭遇した業者さんの出来事についての記事です。
医療関係者の方が読んでも大丈夫なよう、ネットの難しいことはまああれなんで、あれします。

医療広告ガイドラインとか関係ない

まずはここからです。
競合他院を見ていて思うんですが、医療広告ガイドラインとか関係ないと思わせるような攻め方をしてきまして、もうひどいも何も...
業界最安を謳っているのはそこそこありますので、こちらから通報したりもしています。


お前何様だよ的なポジションで通報するわけですが、これもクライアントの利益を守るためです。


誇大広告を出して集患できているから、それに倣って他の競合も同様の広告を作り、ルール違反の広告だとわかっちゃいるけどやめられないみたいな感じでしょうか。
こういった記事を読んでいただけますと嬉しいと思うのです。


使用許可を出していないサプリに監修者として載る

この内容がびっくりすぎてこの記事を書いたと言っても過言ではないのですが、遭遇したときは、???となりました。
ウェブ業界歴が長い先輩方はこういった経験はされているかもしれませんが、もうなんか、事態が飲み込めませんでした。

それで業者に問いただしていくと、
「別のサプリで監修許可いただいたものの利用範囲が社内で共有されていなくて、このような自体になりました」
みたいなことをあーだこーだと述べられていたんですが、ここまでならヒューマンエラーになるかなあと思います。

ただ、この監修者として監修したサービスなんですが、サービスと監修者をつなぐプラットフォームがありまして、そのプラットフォームがとあるところで別企業に売却されていまして。
運営者が変わって引き継ぎがされてない?とかもうよくわからん感じでございます。

闇 of the YAMI
英語知らんけど。

グレーだとわかっていてGoogle マイビジネスの規約違反をする

いや、グレーというよりもアウトなんですが...という何とも言えない顔になったぼくです。
わかりやすいところでいくと、屋号名にキーワード入れるものなどです。

クライアント先のMEOをやっている既存業者さんがキーワードを入れておりまして、なぜキーワードを入れたのか話を聞きましたら「MEO対策の一環で」と言われました。
一般的な回答だと思うのですが、引き続き聞いてみたら、「屋号にキーワード入れるのは駄目なことだと理解しているが、それでもMEOで上位表示するためにグレーを攻める」と言われました。

アカウントに影響あったらどうするのよ。
と言った正論とかではなく、思想が違うのかなんというのか、非常に難しいのです。

こちらの記事の通り地道に競合クリニックの情報修正をしていたぼくですが、まさか自分のクライアントがこれだったとは...
という笑えない状況にもなるのです。


記事に忠実に活動しているので、名古屋はじめいくつかの都市圏の美容クリニックの平和は守った自信あります。(誰目線?)

こんな感じのもそうです。

あとは正座してこちらの記事をお読みください。


もういいよ。ってくらい営業がしつこい

営業さんは運用のことわからない。でも、運用担当は表に出てこない。何なら、連絡取れない。
医療機関の営業は特殊なので営業がいたほうが良い気持ちもわかりますが、それでも度が過ぎてる営業が多い。
営業専門だとしてもある程度は運用のことを理解していないと、この業界は厳しいかと思われます。

インスタめっちゃ集患できるよ。って言われるけど

それはもうおっしゃるとおり、ストーリーとかアップするとたくさん来るケースもあります。
ただ、Google アナリティクス見るとインスタだけじゃなくて他の媒体から集患しているケースもたくさんあるので、自社の集患がどこがメインなのかをフラットに見ておくと良いと思っています。
インスタもホームページも見た。って人は多いですが、インスタばかりに固執するのではなく考えていきたいところです。

一つだけ言いたいのは、n=1を極大化して発言には惑わされないことの重要性なのです。

新規集患だけでなく、再来院も考える

新規来院数に焦点を当てがちなのですが、既存患者さんに喜んでもらえるメニューやキャンペーンを考えてみてもよいのです。
周りの人に聞いても美容クリニックへ行くというのはハードルが高いと感じる人もいるので、ハードル高い人の態度変容より、まずは近くにいる人から。

マシュマロが荒れなかった

問い合わせフォームとかの質問だと荒れがちでも、マシュマロだったら思うほどに荒れなかった。ということもありました。
SNSをキャンペーン告知のみに使うのも一つの手かもしれませんが、原点に立ち返ってコミュニケーションツールとして使ってみても良いと思います。

Twitterの定点観測は欠かさない

エゴサしていると、良いこともあるのです。
ちゃんと見ておきましょう。
保険診療メインのクリニックではネットで話題になることは少ないのですが、美容クリニックですと初回カウンセリングを受けるまでにたくさん情報収集してから来院するケースがあるので、Twitterでどんな情報が出ているのか把握しておくことも大事です。
しかも良きなのは、ドクターはインスタを好んでやる傾向にあるので、Twitterはがら空きでございます。
小学生の頃にやったKOFシリーズの草薙京のセリフ如く「ボディがガラ空きだぜっ!」なのです。


インフルエンサーは女神さまではない

中には凄腕インフルエンサーさんもいるんですが、インフルエンサーに紹介してもらったからといって、すぐに集患につながるわけではないのです。
それよりも、クリニックのファンになってくれた人がご自身の友人を3人紹介してくれるほうがプラスになったりもします。
インフルエンサーも大事だとは思うのですが、インフルエンサーを女神さまにするのではなく、施策の一つとして考えておきたいところです。
きらびやかなものが正義ではないのです。

もともとの美容クリニック業界にも問題がないわけではない

誇大広告よりの広告を出し、しかも金額どばあっと投資するので、変なイメージが先行してしまっています。
ちゃんとやっているドクターやクリニックもある中で、ようわからん広告がはびこるのです。
真面目にやっているところが救われない。

じゃあ、広告会社的に美容クリニックは儲かるのか?

にしたんクリニックみたいな広告出せるのは湘南、品川みたいな一部大手で、基本的には一般的な店舗型ビジネスの中小企業と同じかつ泥臭い広告を作っていく感じです。
なので、広告予算は比較的多い部類かもしれませんが、それでも、「儲かる」かどうかは別です。仕事がほんとに大変なので。



スポットで入るというか、ある種外注的な作業だけ請け負って提供する分には、良いと思います。
あとは、他業種と同じテンプレートを使って美容クリニックで展開する場合に金額を上げて受注できるとか。(それを会社として、またはビジネスとして良しとする場合には展開するのも良いと思います)

しかし、美容クリニックの改善を本格的に行おうと思うと、ウェブだけじゃなくて現場の改善や人事の問題などが大きく関わってくるので、そこらへんまでやってくとなると工数がものすごくかかります。その工数までチャージするべきかもしれませんが、それまでチャージするとクライアントさんへの負担もその分増えるので、我々が出すべき成果のハードルが上がるという循環になります。

適正なサービスを適正な価格で。

美容クリニック界隈で実力がある人と繋がる

実力ある人との繋がりがあるかないかで、取り組める幅が全く変わります。
カウンセラーさんのスキル向上ができるのか、東京などのトレンドをベースにキャンペーン企画を作れるのか、ドクター教育をベースに院内で行える治療の幅を広げられるのかなど、売上に直結してきます。
また、製剤・機材メーカーとのつながりから仕入れ値を抑えることで原価ダウンでき、メニューに価格優位性をもたせることができるのかなど、原価の面からも大きな影響があります。
美容クリニックの場合はスタッフの退職率が高いケースもあるので、ナースなどの人材を常に送り込める人がいるのも強いです。専門職採用は大変ですし、コストかかりますので。

クリニックって、ほとんどは院長が経営しているので、院長はプレイヤーも兼ねている場合が多いです。
となると、プレイヤーとして経営にも携わらなきゃなんですが、そこまで手が回っていないことがほとんどなので、院長がプレイヤー or 経営に専念できる環境を整えられる人がいると良きだと実感しています。

美容クリニックはブランディング方法も様々

・技術で一点突破型。
・幅広い自費診療を誠実に受けられる。
・ニッチな市場で一強。
・多額の広告費をベースにマス広告で名前を売る。
・知る人ぞ知る破格が強み。
など、ほんとに様々なブランディングといいますか、経営方針があります。
これには経営者≒院長の意志が反映されていることが多いですが、大事なのは、その意志を把握して広告を考えていくことです。
どうみてもうちの考えと合わないよね。って広告をやったところで、クリニックはもちろん、患者さんだって幸せにならないこともありますので。
みんな幸せな優しい世界を作りましょう。

美容と言えども、ローカル色強し

結局は、来院してもらって初めて売上になるのです。
そのためやっぱりローカルビジネスの一環なのです。
凄腕ドクターのクリニックは県外から通院とかありますが、全体の母数からみたら少ないです。
やっぱり、そのクリニックが位置する診療圏で広めていくのが一番です。

とはいっても内科さんとかよりは診療圏広いので、そこらへんは注意です。

基本はBtoC。時々BtoD。

Dってなんやねん。って感じなんですが、Doctorです。
同業に向けた広告といいますか、ブランディングといいますか。
Doctorは専門職であり、技術職。そのため、秘技みたいなものがあるのです。
それがDoctorの間でのブランディングになっていくのです。

クリニックはスタッフのエゴ全部を飲み込めやしない

みんなそれぞれの視点があり、それをn=1として極大化して話が進むのです。
意見はわかりますが、現場の人の話だけではなく、経営層、ドクターなど関係者みんなの意見を聞いた上で落とし所を決めないとなのです。
声の大きい人、根回しの上手い人、役職越えた関係性の人がいると一人のエゴに全体を巻き込んでしまうのです。
ほんと、救われない。

クリニックの重力に魂を縛られている人々

スタッフだけのことではないのです。
スタッフの中にもいるとは思うのですが、外注業者とかもそうなのです。
美容クリニックってクリニックの中でも広告費が高い部類なので、何としてでもしがみつこうとする。
そうしてクリニックの環境は汚染されていき、人間の重みでクリニックは沈むのです。


地獄の媒体管理

もうほんとこれ、つらいんですわ。
クリニックの規模が大きくなればなるほど、媒体管理の工数がかかります。
誰かが知らぬ間に契約してた媒体がある日登場したり、そもそも契約した覚えがない媒体に出稿されていたりと涙涙の日々です。

いつも担当をするときは、いらない媒体がないか必ず確認しています。
往々にして1や2のいらない媒体は存在するものです。
クリニックの作業も減るし広告予算も減るので良きだと思います。
(しかも美容クリニックの媒体ってなんであんなに高いんだよ。って毎回心のなかで思っております。ほんとなんであんな高いんだよ)

クリニックの中ではアクセス数多め

感覚値ベースですが、一般的な保険診療の町医者さんのサイトでリスティング等のウェブ広告費なしですと、月間3,000アクセスあると良いほうだと思います。
歯医者さんはもうちょっと下がって、1,000あると良きかと。
もちろんブログやSNS頑張っている場合はその限りではないですが、それでも月間の数値としては上記くらいかなあと思います。

しかし美容クリニックは、月間5,000。多いと10,000超えたりします。もっと多いところもあります。
保険診療中心のクリニックより、多い印象です。

マスターデータがどこに貯まっているのか、もしくは貯まっていないのか

実際にここまで考えるとしたら、担当し始めてから相当時間経過してからだと思います。
それ以前に潰さなければならない穴が多数ある場合はそっち優先ですし、そっち優先したらデータ管理まで手が回らないのです。
しかもデータの入力って規則性なかったりするので、それはそれでまた大変なのです。

あと、管理システムが旧来のものすぎて使いにくいパターンはあるので、システム選びは慎重に。
PDFでしかデータを落とせないと聞いたときは静かに泣きました。CSVとは…

流行りものに手を出すのは良いけど、今の現状も見ておくべき

流行りものと相性が良い業界だとは思います。
ただ、増やしすぎるとさっきの地獄の媒体管理につながるし、集患できなかったって負け癖がつくのも良くないかと。
あと、美容だからといって流行りものと相性が良いわけではなく、美容クリニックにも特徴があるので、マダム層を中心にしてる場合は流行りものってわけでもなかったりします。
流行りものに手を出す下りについては、森野さんが言われていました。


クリニックが入ってる建物が広告になるケースもある

有名なビルとかホテルに入っていれば、それだけで広告になったりします。
賃料を広告費換算するわけではありませんが、自然と広告にも繋がります。

有名すぎるとこに入ってて、そのテナントからの流入が多い場合は、GAのデフォルトチャネルグループをいじって、そのテナント専用の参照元を作っています。
CVRが激ブレしますので…
設定は、GAビューのチャネルグループ > チャネルグループ設定からどうぞです。


結局1番言いたいことは?

酸いも甘いも全部書いてみましたが、ぼくは美容クリニックのマーケが好きですし、いま担当しているクライアントさんが好きなので、やっぱり業界全体が良くなってくれると良いと思っています。特に広告関係よ。
美容クリニックも広告会社もちゃんとやっているところはちゃんとやっていらっしゃるので、みんなで患者さんの方を向いて一生懸命頑張っていきたい所存でございます。
現場からは以上です。

もう12月も中旬に入り、いよいよ残すところあと20日もないようす。
年末年始、ちょいと時間できたら途中プレイのスパロボBXをやろうと思います。
結局またビルバイン無双するのですが、絶対無敵のライジンオーさんにも活躍してもらいたいのです。


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